映画・テレビ

クライマーズ・ハイ

新宿で映画「クライマーズ・ハイ」を観てきた。
原作の「クライマーズ・ハイ」を読んだのが随分と前だったので、ちょうどよい「前説」を読んだくらいかも。
あの墜落事故から20年以上が経っているからこそ、この映画の価値があるともいえる。
映像と音響があってこそリアルに伝わる場面が多いことを考えると、原作を乗り越えたともいえるのでは。
とにかく堤真一、堺雅人の演技が素晴らしい。
ただ、隣のカップルが鬱陶しくて、思い切り泣けなかったのが残念だった(笑)。


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癒されない心の傷

AERA MOVIE ニッポンの映画監督」というムックがあって、私も映画を借りてくる時の参考にさせてもらっている。
この中に「21世紀の日本映画ベスト10」というアンケートの集計結果が発表されている。
1  ユリイカ  
2  誰も知らない  
3  ゆれる 
4  下妻物語 
5  それでもボクはやってない 
6  ハッシュ!  
7  いつか読書する日
8  パッチギ!  
9  血と骨 
10 フラガール
11 たそがれ清兵衛  
12 ジョゼと虎と魚たち  
13 アカルイミライ
14 ヴァイブレータ  
15 UNloved  
16 回路  
17 美しい夏キリシマ
18 殺し屋1  
19 天然コケッコー  
20 害虫

ざっとこんな順番ですが、必ずしも興行的な成功とは一致していない。
また、一位になった青山真治監督が、作家性のある監督として「かもめ食堂」の萩上直子をあげているが、30位までの中にさえ入っていない。
もともと映画を客観的に評価して順位を付けるなんて意味が無いのかも。
ま、それでも膨大なタイトルの中から映画を選ぶ参考にはなるとは思う。

で、とにかくダントツ一位の「EUREKA ユリイカ」は見ておきたいと思い、今日ようやく借りてきた。
217分というメチャクチャ長い作品だし、モノクロだし、暗いし・・・・。
そんな先入観を吹き飛ばす、心に突き刺さる価値ある映画だった。
まだ見終わったばかりで放心状態といったところだけど、北九州が舞台なのに、自分の田舎の風景を見ているようで、「閉塞感」に胸が締め付けられた。
これは田舎で育った人間にしか分からない感覚だと思う。
「心の傷」って簡単に言うが、私なんか50年近くも前のことなのに、幼稚園でイジメられたことなど消えない記憶がふと甦ることがある。
女性の場合の「心の傷」は、ほとんどが恋愛に関するものらしいですが、私も幼稚園から高校生までずっと一人の女の子を追いかけていたなぁ。
よく「初恋」っていうけれど、おそらく最初で最後の本当恋だったと思う。
でも結局「好きだ」と言えないまま、一番の友人にさらわれてしまった。
その傷は今も癒えることはない。
もう一度あの頃に戻れるなら、絶対に「好きだ」と言えるのに(笑)。
あれ?どうして全然関係ない話になったんだろうsweat01

宮崎あおいのファッションがとてもオシャレで、それがこの映画を気品あるものにしていたと思う。







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筒井ともみが凄い!

文芸作品の映像化は原作の持つ文学的な香りが消え、「見なきゃ良かった」とがっかりすることが多い。
不思議なことに、そういう映画がものすごく評価が高くて、またびっくり。
それでも「お、これはすごい!」という映画に出会うこともあるわけで、たとえば「センセイの鞄」なんかその最たるものだ。
で、その「センセイの鞄」のシナリオを書いたのが筒井ともみさん。
私はWOWOWでこの映画を初めて見たとき、「この監督は文学を知っているなぁ」と思ったのですが、後になって筒井さんのことを知り「あ、やっぱり」と納得したのでした。

昨日、その筒井ともみさんのプロデユース作品「ベロニカは死ぬことにした」を見た。
そう、原作は世界的なベストセラー作家パウロ・コエーリョの同名小説。
かなり哲学的な内容だし、そもそも文化的背景も違うわけで、いったいどうやって映画にするのか?
映画公開時、そう思ったきり、すっかり忘れてしまっていました(笑)。
でも、やっぱり筒井ともみさんって「凄い人!」だと再認識できた映画でした。
まるで舞台を観ているかのような演劇的な手法。
真木よう子の代表作となる傑出した演技。
いい映画を見ることが出来た。

実は筒井ともみさんのことを教えてもらったのは「東京カレンダー」のJさんから。
食べる女 -スローフード・スローセックス-」を発売する時に、「いや~本当に凄い才能のある人で、面白い人なんですよ」と彼はベタ惚れだった。
この「ベロニカは死ぬことにした」を見れば、それもなるほどと頷ける。
私も監督ではなく、プロデュースとシナリオで映画を選ぶなんて初めて。
それにしても・・・・もう3年も前の映画だったんですね(笑)。


そういえば、私は主演の真木よう子の名前を、全然違うところで知っていました。
それは書店員だからこそで、実は新潮社から出ている写真集(ムック)のシリーズがあるのですが、「月刊 真木よう子 」の売れ方が「異常」だったからです。
現在、どれだけ「プレミア」がついているかを見れば、その「異常」人気は一目瞭然でしょう。
ただ、残念なことに当時は何故そんなに売れるのかがまったく理解できなかったこと。
分かっていれば絶対に買ってたのに!

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父と暮せば

お芝居はもう3回も観ている。
TVの劇場中継も見た。
何回見ても泣いてしまうその演目は「父と暮せば 」。
原爆の悲劇を描いた井上ひさしさんの傑作戯曲。
その舞台が映画化され、岩波ホールで単館上映されていた時、こまつ座のWさんから「いい映画ですから、ぜひ観てください」と言われてはいたものの、忙しくてとうとう観ることができなかった。
神保町の交差点にある岩波ホールの上に、宮沢りえさんの映画看板が掛かっていて、そReport1の前を通り過ぎるのが悲しかった。
そしてDVDが発売になった時も、何べん買おうと思ったか分からない。
でも、どうしても買えなかった。
もったいない?
いえ、違うのです。
それほどに悲しくて、戦争への憎しみが募る映画だということ。
でも、いつまでも逃げているわけにはいきません。
今日、年月を経て、ようやく観ることができました。
宮沢りえちゃんの広島弁が美しくて、それがかえって泣けます。
こうして文章を書いていても涙が零れ落ちる。。。。

私は美津江さんの台詞の中で、「自分が生きているのが申し訳のうてならん」っていうのが、強く印象にあるんで す。

彼女は生き残った人間ですけれど、被爆から3年経ったときにでも、そういう気持ちを抱いて生きている。

多分、私たちみたいに、今、この平和な、何を平 和と言うのか分からないですけれど、愛する人とも一緒に暮らせて、美味しいものも食べて、いいものも着て生きている時代の私たちにとっては、この「生きて いるのが申し訳のうてならん」という台詞は、本当に理解が難しい言葉だ、と。

生きることさえ意識してない今の時代というものに、やはり私はずっと疑問を持 ち続けたいなあと思います。

私も普段の生活をしているときには、何が平和か、何が幸せなことなのかというのを忘れてしまう瞬間もありますけれど、でも、そ のことを知ることができたということ、今、こうして笑って、愛する人が横にいるということを、ただ当たり前にだけは思わないで、幸せなことなんだと思う人 が一人でも増えたらいいなと思います。

井上先生との対談でのりえちゃんの言葉でした。

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ジョゼと虎と魚たち

見たいと思いながらもチャンスを逃していた映画「ジョゼと虎と魚たち」を、DVDを借りてきて、やっと見ることができた。
よっぽど暇にならないと無理だと思っていたのだけれど(笑)。
うん、なかなかいい映画だ。
障害者の恋愛というと「特別」なものとして考えがちだが、同じ人間同士、やることに違いはない。
熱く炎が燃える瞬間もあるし、それが冷めていくのも普通のこと。

そういえば、この作品の重要なモチーフとしてフランソワーズ・サガンの「一年ののち」が出てきます。
4102118039 本というのはそういう繋がりで読みたくなるものですから、映画をきっかけにけっこう売れているのでは?
と思ったら・・・・・現在は絶版になっているみたいsweat01
古本が出回っているとはいうものの、新潮社はなぜ復刊しないのだろう。
それとも、サガンを読む人が少なくなっているのかなぁ。。。
田辺聖子先生の原作とセットで読むと、一本の映画から大きな文学の世界に広がるのですが。

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「田舎」映画が面白い

失業中でも、週末に天気が良いとウキウキしてくるから不思議なもの。
あまりのポカポカ陽気に誘われて1時間ほど散歩に出てきた。
梅の花、桜ほどの華やかさはないものの、日本の風景にはよく似合う。
「ドラマ」がレンタル100円の日ということで、またもや映画のDVDを3本借りてきた。
先週に6本も借りたばかりなのに(笑)。
昨日の夜はそのうちの2本の映画を見た。
まずは「天然コケッコー」。
まるで自分の子どもの頃の故郷の風景を見ているように、時間がゆっくりと流れている。
田舎の素朴な女の子になりきっている夏帆ちゃんを、またまた好きになってしまった(笑)。

そして、もうひとつも「田舎」がウリの映画(何)。
青春デンデケデケデケ」は、芦原すなおさんの原作「青春デンデケデケデケ (角川文庫)」があまりに面白かったので、映画はどうも見る気になれずにいた。
でも、やはり大林宣彦監督の作品は気になるし、当時はまだ若かった高校生役の浅野忠信も見てみたいわけで。
で、これも大当たり!
原作の雰囲気が良く出ているし、大林作品特有の映画作りが、この四国の「田舎」持ち味を引き出している。
映画も原作も、超お薦め作品です☆
かなり古いけれど(笑)。

それとこの2作品に共通するのが「方言」が「主役」になっているということ。
標準語とちがって、同じことを言ってもトゲがないというかやわらかくなる。
言葉というのは、背負っている共通の文化があるからこそ伝わるものがある。
他所もの同士が絡み合う東京では、コミュニュケーションツールとして、シェイプアップされた「標準語」が確かに必要。
なので「標準語」というか、「東京弁」の冷たさが、都会生活の孤独感に繋がるものだということなのだ。
   ふるふるさとの訛りなつかし
      停車場の人ごみの中に
        そを聴きにゆく

石川啄木は、言葉こそが私たち「田舎者」の郷愁なのだと詠っている。
ま、今の私にはこちらの歌のほうが心に染みるわけですがsweat02

さとの訛りなつかし
           停車場の
こころよく
         我にはたらく仕事あれ
        それを仕遂げて死なむと思ふ
ごみの中に
           そを聴きにゆく   












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「母べえ」に号泣

Main母べえ」を観た。
いい映画だった。
本当に素晴らしい映画だった。
二日連続で映画を観たかいがあったというものだ。
当初は、吉永小百合さんの年齢では無理があるのではとも思っていたのだが、このクラスの女優さんにそんな杞憂は失礼だとわかった。
とにかく冒頭から涙、涙で・・・。
込み上げる嗚咽を抑えるのに一苦労だった。
太平洋戦争に対する眼差しが井上ひさしさんの眼と同じで、その優しさが、そのユーモアが、戦争の悲劇を際立たせる。
大掛かりな戦闘シーンよりも壮大な戦争映画だともいえる。
淡々と続く日常の一コマ一コマなのに、まったく息つく間がない。
吉永さん以外の役者さんも本当に素晴らしい。
この映画は、これから海外での評価の方が高まっていくこのになるのでしょうが、ぜひ日本の若い世代に観て欲しいと願うばかりだ。

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